近年、動画クリエイターの活躍フィールドはますます拡大し、空撮ドローンの導入によって映像表現の幅が一気に広がるケースが多く見られます。ワンカット空撮を入れるだけで作品のダイナミックさやプロっぽさが際立ち、視聴者の興味を強く引くことができるからです。
しかし、「ドローンの操作は難しそう」「高価なプロ機材までは手が出ない」といったハードルを感じている方も少なくありません。今回ご紹介するDJI Flipは、2025年1月14日に発売された新型ドローンで、折りたたみ式の全面保護プロペラガードや軽量設計などの革新的な特徴を備えながらも、手に取りやすい価格帯を実現。さらに、撮影機能は4K/60fps HDR対応、10-bit D-Log Mまで備え、プロレベルの映像制作にも対応できます。
本記事では、そんなDJI Flipの詳細なレビューを行いながら、空撮初心者から経験者まで幅広いユーザーにおすすめしたい理由や、クリエイティブな活用法を徹底解説していきます。最後まで読めば、あなたの映像制作における「ドローン導入」の具体的イメージがしっかりと描けるはずです。
ここから先の詳しいレビューと活用事例を読めば、きっとDJI Flipがあなたの映像制作を“飛躍”させる一台になるだろうと納得できるはずです。
DJI Flipとは?—基本情報と位置づけ
発売日と価格帯
- 発売日:2025年1月14日
- 価格:
- DJI RC-N3付属モデル → 66,660円(税込)
- DJI RC 2付属モデル → 93,390円(税込)
「DJI Mini 4 Pro」と「DJI Neo」の中間に位置するとアナウンスされており、Mini 4 Proほどのハイエンドモデルは不要だけれど、Neoのようなライトモデルだけでは物足りないという方のニーズをしっかり捉えています。
革新的デザインと折りたたみ構造
DJI Flip最大の特徴とも言えるのが、折りたたみ式の全面保護プロペラガードです。プロペラを展開すると自動的に電源が入り、折りたたむと電源が切れるというスマートな仕組みが注目を集めています。
- 折りたたみ時:プロペラを完全保護しつつコンパクト化
- 広げるだけで撮影準備完了:セッティング時間の短縮&トラブル回避
- 軽量設計(249g未満):航空法や持ち運びの制限が緩和される可能性あり
このデザインは「飛行時の安全性」と「持ち運びのしやすさ」を両立し、クリエイターが躊躇なくドローン撮影を取り入れやすい環境を作っている点が大きな魅力です。
カテゴリーを超える新しい“中間”製品
製品ラインアップでは、DJI Miniシリーズが超軽量機体で入門~ライトユーザー向け、DJI Neoなどのハイエンド機種がプロフェッショナル向けとして位置づけられてきました。Flipは「Miniの手軽さ」と「Neoの空撮品質」の両方を兼ね備えるというコンセプトのもと開発されているため、幅広い層のニーズを満たせる製品と言えます。
2. カメラ性能:プロも納得の映像美と撮影自由度
4K/60fps HDR&48MP写真対応
DJI Flip最大の魅力の一つに、動画撮影機能の強化が挙げられます。1/1.3インチCMOSセンサーを搭載し、4K/60fpsのHDR動画撮影が可能。滑らかな動きと高ダイナミックレンジが両立するため、自然光が強い屋外シーンや暗所との明暗差が激しい環境でも、映像が白飛び・黒つぶれしにくくなります。
さらに写真撮影では最大48MPの解像度を実現。撮影後にズームや切り抜きをしても高精細が保たれるので、ドローン写真をSNSやブログのヘッダー画像に使う場合でも、まるで高級一眼レフで撮影したような迫力のある仕上がりが期待できます。
10-bit D-Log M対応でカラーグレーディングが自在
動画クリエイターの中には、撮影後のカラーグレーディングにこだわりたい方も多いでしょう。DJI Flipは10-bit D-Log Mに対応しているため、8-bitと比べて圧倒的に広い色空間を扱うことができます。特にビビッドな自然風景やニュアンスが豊かな夕景などを撮影する際には、後工程での色調整が大きなアドバンテージとなります。
- グラデーションや階調の表現が滑らか
- ポストプロダクションでの色転びや画質劣化が軽減
- シネマティックな映像表現への大きな一歩
こういった撮影機能が充実していることで、単なるホビーユースだけでなく、YouTubeや映像制作プロジェクト、さらには企業プロモーション動画など、多彩な用途に対応できるのがDJI Flipの強みです。
飛行性能&特殊機能:初心者からプロまで安心の操作感
3-1. 最大飛行時間31分、最大伝送距離8km
空撮では「どれだけ長時間飛行できるか」「どれくらい遠くまで電波が届くか」が重要です。DJI Flipは最大31分の飛行時間を実現し、1回のフライトで十分な撮影チャンスを確保できます。また、最大伝送距離は8kmにも及び、障害物の少ない場所ならばクリエイターの演出意図に合わせた遠距離撮影も可能。
ただし、スマホのみで操作する場合は安全面から最大50mに制限される仕様があり、初心者でも視認可能な範囲で操縦できるため安心です。
最大飛行速度43.2km/h(Sモード)
スピード感ある映像を撮りたい場合にはSモード(スポーツモード)が便利。最大43.2km/hという高速飛行に対応しているため、被写体の動きが速いシーンでも迫力あるカメラワークを実現できます。一方で、初めての方はCモード(シネマティックモード)やNモード(ノーマルモード)から慣れていくのが安全です。状況によって飛行モードを切り替えられる柔軟性も、DJI Flipの大きな魅力と言えるでしょう。
AIトラッキング機能(ActiveTrack 4.0など)
- ActiveTrack 4.0:被写体を自動追尾し、常にフレームの中央付近に収めてくれる
- Spotlight 2.0:飛行操作を自由に行いながらも、カメラだけは被写体を自動追尾
- Point of Interest 3.0:被写体を中心に円を描くように飛行する自動軌道撮影機能
こうした機能を組み合わせると、熟練のドローンパイロットのように複雑なカメラワークが簡単に可能となります。スポーツイベント、アウトドアVlog、音楽PVなど、あらゆるジャンルの撮影で“映える”映像を手軽に狙える点が高評価です。
安全性能:赤外線検知システム&ビジョンセンサーが安心感をプラス
前面3D赤外線検知システム
ドローン撮影で怖いのが、思わぬ障害物への衝突です。Flipでは前面に3D赤外線検知システムを搭載しており、飛行中に前方の障害物を素早く感知。自動的に回避行動を促してくれます。複雑な地形や狭い場所での撮影も、安心感がグッと高まるでしょう。
下方向ビジョンセンサーで安定着陸
着陸時のトラブル防止にも配慮があり、下方向ビジョンセンサーが地面の状態を検知して機体を安定させます。例えば、少し傾斜のある地面や凹凸のある場所でも、ビジョンセンサーがある程度の補正を行うため、ドローン初心者が不安視する着陸時の転倒や破損リスクが低減します。
バッテリーと充電システム:モバイルバッテリー機能で撮影効率UP
パラレル充電ハブ対応
DJI Flip専用のパラレル充電ハブを使えば、2つのバッテリーを同時に約70分で充電できます。ロケ先やイベント撮影では、バッテリー切れが大きなタイムロスに直結しますが、この機能があれば効率的にリソース管理可能。シーンに合わせて予備バッテリーを複数用意しておくと、ほぼノンストップで撮影を続けられます。
バッテリーがモバイルバッテリーとしても使える
ユニークなのは、Flipのバッテリー自体がモバイルバッテリーとして機能する点。撮影現場でスマホのバッテリーが切れそうになった際などに、急場をしのぐ手段として有効活用できます。映像クリエイターはカメラや照明、マイク、タブレットなど複数の機材を扱うことが多いため、こうした細かな便利機能の積み重ねが大きなメリットにつながるものです。
具体的な活用法:動画クリエイターにとってのメリット
旅行Vlogやアウトドア映像に
249g未満の軽量設計のおかげで、航空法や各国での持ち込み制限が比較的ゆるやかなケースが多いのがポイント。トレッキングやキャンプ、海辺での撮影、海外旅行での空撮など、「思い立ったら空撮」が可能になる感覚は大きな魅力でしょう。視聴者にインパクトを与える映像を簡単に収録でき、Vlogのクオリティが格段に上がります。
スポーツイベントやプロモーション動画
AIトラッキング機能(ActiveTrack 4.0など)を活用すれば、スポーツイベントやダンス、音楽フェスなどで被写体をしっかり捕捉し続ける“動的な映像”を手軽に実現可能。さらに10-bit D-Log Mで撮影した映像をポストプロダクションで仕上げると、まるで映画のような印象的な作品に変わります。企業のプロモーション動画やウェディングムービーなど、商業撮影にも耐えうるグレードです。
音楽PVやショートフィルム、YouTubeチャンネルの演出
映像クリエイターが作品を制作する際、空撮は多くの場合ハイライトシーンとして扱われます。例えば、音楽PVの冒頭でDJI Flipを使って広大な風景を見せれば、一気に視聴者の世界観への没入感が高まるでしょう。
YouTubeチャンネルでも、通常のトークや地上撮影に加え、空撮映像を挿入するだけでプロフェッショナルな演出が可能。特に自然景観や建築物をテーマにしたチャンネルでは大きな武器になります。
DJI RC-N3とDJI RC 2:どちらを選ぶべき?
Flipには2つのコントローラーバリエーションが用意されています。
- DJI RC-N3付属モデル(66,660円)
- スマホをモニターとして使用するタイプ
- より低コストで導入可能
- 一方で長時間の撮影ではスマホのバッテリーに注意が必要
- DJI RC 2付属モデル(93,390円)
- 独立したディスプレイを持つリモコン
- スマホと連携しなくても飛行可能で、操作が安定
- プロ用途や長時間・大規模撮影ならこちらが便利
購入時の注意点と練習のすすめ
法規制・保険のチェック
249g未満とはいえ、場所や国によってはドローンの飛行が制限されるケースがあります。日本国内でも人口密集地や空港周辺では申請が必要な場合があるため、国土交通省のウェブサイトなどをチェックしておきましょう。また、万が一の事故に備えて保険に加入しておくと安心です。
練習場所の確保
初めてドローンを触る方は、まず広い練習場で基礎操作に慣れるのがおすすめ。離陸と着陸、前後左右の移動、緊急停止などを確実にマスターすることで、実際の撮影現場で落ち着いた対応ができます。Flipは赤外線検知やビジョンセンサーで安全性が高いとはいえ、オペレーター側の操作技術も重要な要素です。
まとめ:DJI Flipが開く“新たな映像表現”の扉
いかがでしたでしょうか。DJI Flipは、折りたたみ式の全面保護プロペラガードや軽量設計(249g未満)、4K/60fps HDR撮影、10-bit D-Log M対応など、クリエイターが求める機能をしっかり取り入れつつ、扱いやすさと安全性を両立したドローンです。
- 持ち運びがしやすく、いつでもフライトをスタートできる
- 広げるだけで電源ON、しまうとOFFという画期的な設計で準備時間を大幅短縮
- 強力なAIトラッキングや障害物検知によって高度な映像表現が初心者でも実現可能
- 飛行時間31分&伝送距離8kmで本格的な空撮ニーズにも対応
- バッテリーがモバイルバッテリーになるなど、撮影現場で嬉しい細かな配慮
価格も66,660円と93,390円の2パターンが用意されているため、予算や運用スタイルに合わせて選べるのもポイント。ハイエンド機種を買うほどでもないけれど、入門機では物足りない…そんな多くのクリエイターにとって、まさに“ちょうどいい”スペックが揃っています。今後、YouTubeやSNSでの発信を強化したい方、商業映像のクオリティを高めたい方にとって、DJI Flipは“最初の一台”としても“セカンド機”としても有力な選択肢となるでしょう。
空撮に一歩踏み出すことで、あなたの映像作品は新たな表現領域へと飛躍するはずです。もしこの記事を読んで「次のステージに行くためのツールを探していた」という方がいれば、ぜひこのタイミングでDJI Flipを検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。本記事が皆さんの映像制作ライフをさらに充実させるきっかけとなれば幸いです。もしDJI Flipについてご質問やご感想があれば、ぜひコメントやSNSでシェアしていただけると嬉しいです。あなたのクリエイティブな映像表現が、一層盛り上がることを心から願っています。
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